抗生物質の発達などにより減少しつつあった肺炎の死亡率が、最近また上昇しています。急速に症状が進んだ場合、特に高齢者の肺炎では、抗生物質などの治療が間に合わないことも少なくありません。
このため、事前に予防することの重要性が見直されてきています。流行性感冒の予防にインフルエンザワクチンが接種されるように、肺炎球菌による肺炎などの予防に肺炎球菌ワクチンが開発され、接種できるようになっています。

事前に予防することが大切

うがい、手洗い、運動、そしてワクチン接種

肺炎をはじめとするさまざまな病気から、体を守るための日頃の心がけとしては、外から帰ってきた時にはうがいをしたり、手を洗うなど基本的なことを励行することが大切です。
また、天気のよい日には外へ出て陽光を浴びたり、散歩などの適度な運動をする、入浴などにより体を清潔に保つことも大事です。

肺炎の予防についていえば、肺炎のすべてを予防できるわけではありませんが、肺炎球菌ワクチンの接種も重要です。
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「肺炎」は高齢者の大敵である

肺炎は、高齢者に危険な病気

肺炎は抗生物質などの薬の進歩と医療技術の向上により、かなりよく治療できるようになりました。しかし、高齢者の方にとっては、肺炎はいまだに怖い病気です。

特に心臓や呼吸器に慢性疾患のある方、腎不全、肝機能障害、糖尿病のある方などでは、肺炎などの感染症にかかりやすく、病状も重くなる傾向があります。

また、急速に症状が進んだ場合、抗生物質などによる治療が間に合わないこともあり、危険です。

肺炎球菌ワクチンとは

肺炎球菌が引き起こす病気を予防

肺炎球菌ワクチンとは、肺炎球菌によって引き起こされるいろいろな病気(感染症)を予防するためのワクチンです。
従って、肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌以外の原因による病気(感染症)に対しては残念ながら予防効果はありません。肺炎を例にとると、肺炎の原因となる微生物には各種細菌やウイルスなど、たくさんの種類があります。
しかし、肺炎球菌は、その中で最も重要な位置を占めている細菌です。

インフルエンザウイルスに多くの種類があるように、肺炎球菌にも多くの種類があります。このワクチンは、1回の接種でいろいろな型に効くようにつくられています。

23種類の肺炎球菌に免疫をつけます

肺炎球菌には80種類以上の型があって、それぞれの型に対して免疫をつける必要がありますが、肺炎球菌ワクチンを接種しておけば、そのうちで感染する機会の多い23種類の型に対して免疫をつけることができます。これらの23種類の型で、すべての肺炎球菌による感染症の8割ぐらいを占めています。
1回の接種で23の型ほとんどに対し、有効レベル以上の免疫ができます。この免疫はよく持続して5年以上続きます。

詳しくは、内科外来まで。